耳鼻咽喉科
診療科について
耳鼻咽喉は耳、鼻副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺(耳下腺、顎下腺)、甲状腺などの疾患を診断、治療する診療科です。
これらの部位には聴覚(難聴)、平衡感覚(めまい)、味覚、嗅覚の感覚器があり、また音声、嚥下、呼吸など重要な機能も担っております。
これらの部位には聴覚(難聴)、平衡感覚(めまい)、味覚、嗅覚の感覚器があり、また音声、嚥下、呼吸など重要な機能も担っております。
取扱い疾患
- 耳垢栓塞(耳あか)
- 外耳炎
- 中耳炎
- 難聴
- めまい
- 顔面神経麻痺
- アレルギー鼻炎
- 鼻副鼻腔炎
- 咽喉頭炎
- 睡眠時無呼吸症候群
- 咽喉頭神経症
- 唾液腺炎
- 各種腫瘍性病変
主な疾患
突発性難聴
- 耳鼻咽喉科
内耳の障害により起こる感音難聴です
| 症状 | 突然発症する難聴で、耳閉感、耳鳴、めまい症状を伴うことがあります |
|---|---|
| 原因 | 原因は不明ですが、血流障害やウイルス感染、自己免疫疾患などの病態が推測されています |
| 治療方法 | ステロイド薬の内服、点滴が治療の中心となります 難聴の程度、めまいの合併、治療開始の時期により聴力改善度は左右されます。早期治療で完治、または改善がみられるのがそれぞれ3分の1程度で残りの3分の1は改善しません。発症後2週間以上たつと回復が困難です。 急に聞こえなくなった場合はすぐに受診をしてください。 |
メニエール病
- 耳鼻咽喉科
病名の由来はフランスの医師プロスペル メニエールがめまいの原因の一つに内耳の異常があることを報告したことによります
めまいといえばメニエール病がよく連想されますが、実際にはめまい疾患の1割程度です
めまいといえばメニエール病がよく連想されますが、実際にはめまい疾患の1割程度です
| 症状 | めまい(回転性のことが多い)が誘因なくおこり数十分から数時間持続します。耳閉感、耳鳴、難聴(低音が聞き取りにくい)を伴います。 めまい発作の解消とともに耳症状(聴力)は改善します。 発作は数日から数年単位で繰り返し起こり、発作の繰り返しで聴力が 悪化するケースもあります。 めまい、または聴覚症状だけを繰り返す非定型タイプもあります。 |
|---|---|
| 原因 | 内耳の内リンパ液が増加してむくんだ状態(内リンパ水腫)が原因です ストレスや自律神経の異常が引き金になると言われています |
| 治療方法 |
|
老人性難聴
- 耳鼻咽喉科
加齢が原因となる難聴です
| 症状 | 左右対称に聴力が低下することが多く、高音が聞き取りにくい、音が聞こえているが会話が理解しにくい、騒音下で聞き取りにくい等の症状が起こります 個人差はありますが50才代より始まると言われています |
|---|---|
| 原因 | 内耳や内耳より奥(中枢側)の聞こえに関する神経、脳の機能低下によりおこります |
| 治療方法 | 加齢現象ですので有効な治療法はなく、補聴器装用が必要となります 日常生活で聞こえ辛さを感じられたら聴力検査を受けてください 補聴器は難聴がかなり進んでからは使いこなすことが困難な場合があります 必要に応じて認定補聴器店を紹介させていただきます |
良性発作性頭位めまい症
- 耳鼻咽喉科
耳から起こるめまいの中で最も多い疾患です。めまい患者様の20~40%程度と言われています。
高齢者(特に女性)に多い傾向があります
頭部外傷の後や長期の寝たきりの時にも起こりやすいです
骨粗しょう症も関与があるとの報告もあります
高齢者(特に女性)に多い傾向があります
頭部外傷の後や長期の寝たきりの時にも起こりやすいです
骨粗しょう症も関与があるとの報告もあります
| 症状 | 特定の頭の位置や頭を動かすこと(寝返り、起き上がったとき、臥床時等)に数十秒程度おこる回転性めまい(浮動感のこともあり)で、静止にてめまいは治まります、同じ頭位を繰り返すとめまいは軽くなったり、治まったりします 難聴や耳鳴は伴いません |
|---|---|
| 原因 | 内耳にある頭の傾きを感知する耳石器と頭の回転を感知する三半規管の障害で起こるめまいです。耳石器より耳石の一部がはがれ落ち半規管に流れ込み浮遊すると、頭を動かすことによって内リンパの流れが生じ三半規管の感覚細胞を刺激し、めまいが起こると考えられています。 |
| 治療方法 | 耳鼻咽喉科では頭を動かせてめまいを起こさせ、この時おこる眼振(無意識に起こる眼球の動き)により、はがれた耳石のある場所を特定することができます。 多くの場合はがれた耳石を元に戻す理学療法によりめまいを改善することができます。1~2週間で自然治癒することもあります。再発もありますので、同じ姿勢をとり続ける習慣のある方は積極的に頭を前後左右にゆっくり動かす体操をお勧めします。 |
前庭神経炎
- 耳鼻咽喉科
突然激しい回転性めまいがおこり、安静にしていてもなかなか治まらない、耳鼻科領域の他のめまいに比べて持続時間の長いめまいです。
| 症状 | 突然おこる回転性めまい、嘔気や嘔吐を伴います めまいに伴う聴力低下や耳鳴はありません 回転性めまいは1週間程続き、その後頭重感、ふらつきなどが数週から数か月続くことがありなかなかすっきりしません。 |
|---|---|
| 原因 | 前庭神経(平衡感覚を司る神経)の障害で起こります。上気道炎(感冒症状)のあと起こることもありウイルス感染や循環障害が原因としてあげられています。 |
| 治療方法 | 発症時には安静が必要です、その為入院治療となることがあります。激しいめまいが治まり歩行が可能となれば、長く続くめまい解消のため早期よりリハビリが必要です。 急性期には輸液を行い安静を保ちます。症状に応じて抗めまい薬、制吐剤、鎮静剤、ステロイド剤等を使用します。 |
顔面神経麻痺
- 耳鼻咽喉科
顔面の筋肉を動かす神経に麻痺が生じる疾患です。
中枢性(脳腫瘍、脳梗塞、脳出血などが原因)と末梢性のものに分かれます。顔面神経は脳幹から出た後内耳道→内耳→中耳→耳下腺内→顔面筋へと走行するので末梢性顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科で扱います。
中枢性(脳腫瘍、脳梗塞、脳出血などが原因)と末梢性のものに分かれます。顔面神経は脳幹から出た後内耳道→内耳→中耳→耳下腺内→顔面筋へと走行するので末梢性顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科で扱います。
| 症状 | 顔が曲がっている 眼を閉じにくい 口角が下がる 口から水がもれる 音が響く 味覚低下がある 涙が出にくい等 |
|---|---|
| 原因 | 事故や外傷、外科手術の後遺症によるものもありますが、最も多いのが ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)で60%以上を占めています。 ベル麻痺:単純ヘルペスウイルスの再活性化で起こるといわれています ハント症候群:顔面神経麻痺の20%ぐらいを占めます。体の中に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化で生じます。疲れやストレスによる免疫機能の低下が引き金となります。耳介や耳の周辺に激しい痛みを伴う湿疹とめまいや難聴を伴うことがあります。 |
| 治療方法 | 神経の変性を抑えるため早期の投薬が必要です。症状に応じて早期に抗ウイルス剤やステロイド剤を投与します。麻痺発症から1週程は悪化します。 重症例は手術適応となることがあります。軽症例では治癒に1か月、重症例では6カ月位かかり後遺症が残ることがあります。ベル麻痺では早期治療で90%、ハント症候群では早期治療で70%位が完治すると言われています。 薬物治療に加えて正しいリハビリ療法が必要ですので、耳鼻咽喉科で説明致します。 |
副鼻腔炎
- 耳鼻咽喉科
鼻の周りには副鼻腔と呼ばれる4つの空洞があります。(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)この空洞に炎症が起こるのが副鼻腔炎で、以前は蓄膿症と言われていました。副鼻腔内は薄い粘膜でおおわれており粘液分泌や繊毛運動があり、分泌物は自然口から鼻腔に排出されています。
| 症状 | 急性副鼻腔炎:発症から4週間以内のものです。膿性鼻汁、鼻閉、頭痛、頬の痛み、顔面の腫脹、熱発等 慢性副鼻腔炎:急性副鼻腔炎が遷延化して鼻汁、鼻閉、後鼻漏、咳,痰、嗅覚障害、頭痛、頭重感などが3カ月以上続きます 好酸球性副鼻腔炎:鼻内にポリープや粘ちょうな鼻汁で鼻閉、嗅覚障害が起こります。気管支喘息やアスピリン喘息が合併していることもありアレルギー反応が関与しています。 |
|---|---|
| 原因 | 副鼻腔は鼻腔と自然口でつながっています。鼻炎で鼻汁が多かったり、粘膜がはれるとこの交通路がふさがってしまい、副鼻腔内の分泌物を排泄できなくなり副鼻腔炎が起こります。上気道炎(感冒症状)に続発します。他に虫歯が原因となることがあります。 |
| 治療方法 | 急性副鼻腔炎:抗生剤、消炎酵素剤、消炎鎮痛剤などを投与します。 慢性副鼻腔炎:マクロライド系抗生物質の少量持続投与(2から3カ月位) を行います。それでも治癒しない場合は内視鏡を使い手術を行います。 好酸球性副鼻腔炎:抗生剤は効果がなく、ステロイド(内服、点鼻)を 中心に治療します。最近では抗体治療薬も適応となりました。重症例には手術も行いますが、再発しやすいので術後も定期的な治療が必要です。 |
睡眠時無呼吸症候群
- 耳鼻咽喉科
睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりすると体内に低酸素状態がおこります。これを一晩のうち何度も繰り返す疾患です。成人では日中の強い眠気や集中力の低下、また高血圧や心不全など心血管系の疾患を引き起こすとされています。睡眠中に機器を用いて検査します。(簡易検査なら自宅で可能で当科で取り扱っております)
| 症状 | 日中の激しい眠気、睡眠中によく目が覚める、息苦しくなり起き上がる 起床時の頭痛、倦怠感等 |
|---|---|
| 原因 | 脳の呼吸中枢の異常によっても起こりますが、多くはのどがふさがって起こる閉塞性睡眠時無呼吸です。顎やのどの形態、肥満などが原因となります。 小児ではアデノイド増殖症や口蓋扁桃肥大が原因の場合が多く手術適応となります。 |
| 治療方法 | 耳鼻咽喉科では気道に閉塞性部位がないかを診察します。 睡眠時検査で軽症の場合、減量や側臥位(横向き)の睡眠体位で解消されることもあります。(あおむけ寝では舌が重力の影響で沈下して気道を狭くします) 睡眠時検査結果により治療法が決まります 軽度から中等度:マウスピースを睡眠中に装用し、下あごを前方に出すことで気道を確保します。 中等度から高度:CPAP(持続陽圧呼吸)療法を行います。睡眠時に鼻にマスクを当て圧力の加わった空気を流し気道を開きます |
咽喉頭神経症
- 耳鼻咽喉科
のどに何か詰まっている、のどに何かできている感じがする、のどがイガイガするなどの症状があり、診察や様々な検査をしても明らかな原因がみつからない場合の疾患名です。
| 症状 | 異物感、違和感の症状がある場合以下に示す疾患がないか診察、検査が必要です。 慢性副鼻腔炎、慢性咽喉頭炎、扁桃肥大、喉頭アレルギー 逆流性食道炎、下咽頭・食道腫瘍、甲状腺疾患、頚椎疾患(首の骨の変形)、貧血等 このような疾患がないのにのどの違和感がある場合咽喉頭神経症と診断されます。 |
|---|---|
| 原因 | のどの違和感に意識が集中し不安感が増強します。疲れがたまっていたり、ストレスなどの心因性、自律神経の乱れ、更年期障害などが原因となると言われています。 |
| 治療方法 | 診察、検査結果で異常のないことの説明で症状が緩和される場合もありますが、改善されない場合症状に応じて漢方薬などを処方します。 心理的要因が強い患者様には精神安定剤が必要となることもあります。 |
唾液腺炎
- 耳鼻咽喉科
唾液腺から唾液は口腔内に排出されます。
耳下腺、顎下腺、舌下腺などの大唾液腺と口腔粘膜に散在する小唾液腺があります。炎症を起こしやすいのは耳下腺(耳介前下方を中心に左右1対あります)と顎下腺(顎の下方に左右1対あります)です。両腺とも導管で口腔内に唾液を排出しています。
耳下腺、顎下腺、舌下腺などの大唾液腺と口腔粘膜に散在する小唾液腺があります。炎症を起こしやすいのは耳下腺(耳介前下方を中心に左右1対あります)と顎下腺(顎の下方に左右1対あります)です。両腺とも導管で口腔内に唾液を排出しています。
| 症状 | 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ):小児に多い疾患です。両側あるいは片側の耳下腺腫脹、疼痛、発熱が主症状、顎下腺や舌下腺にも起こることがあります。通常1~2週間で軽快します。合併症に髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴(ムンプス難聴)などがあります。ムンプス難聴は0.1~1%に起こり片側性がほとんどですが、治療による改善が期待しにくく、後遺症として難聴が残ってしまいます。ムンプスワクチンの接種が勧められています。 化膿性唾液腺炎:耳下腺部や顎下腺部の腫脹、疼痛、発熱など、開口部より膿が出ることもあります。 |
|---|---|
| 原因 | ウイルス性:ムンプスウイルス感染による流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)がほとんどで、他にコクサッキーウイルスやパラインフルエンザウイルスの感染でも起こります 細菌性:口腔内の細菌が唾液腺導管から唾液腺の中に入り込んで起こります。加齢による唾液分泌の低下や唾石症(唾液に含まれるカルシウムが原因で唾液腺や導管内に石ができます)がきっかけとなります。 |
| 治療方法 | ウイルス性唾液腺炎:基本的には解熱鎮痛剤などによる対症療法です。 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にはワクチンによる予防が効果的です。 化膿性唾液腺炎:抗生剤投与が基本です。唾石が原因の場合小さいものなら自然排出もありますが、手術による摘出が必要です。 |
患者様へ
耳鼻咽喉科疾患全般を取り扱っております。
幅広い領域を扱う科ですので、乳幼児からご高齢の方まで患者様の訴えを丁寧に聞き取り、診察、適切な検査、治療を行うように心がけております。
耳鼻咽喉科疾患は他の診療科との関連疾患が多いので、他科とも迅速に連絡を取り対応しております。外来診察が主ですのでさらなる精査や手術が必要な場合には責任を持って関連病院に紹介させていただきます。
診察に関しては予約は不要です。ご不明な点がございましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
幅広い領域を扱う科ですので、乳幼児からご高齢の方まで患者様の訴えを丁寧に聞き取り、診察、適切な検査、治療を行うように心がけております。
耳鼻咽喉科疾患は他の診療科との関連疾患が多いので、他科とも迅速に連絡を取り対応しております。外来診察が主ですのでさらなる精査や手術が必要な場合には責任を持って関連病院に紹介させていただきます。
診察に関しては予約は不要です。ご不明な点がございましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
