手の外科センター
センター概要
上肢の痛み、動かしにくさは人間の日常生活、お仕事、趣味活動やスポーツなど多方面に影響します。当院では、日本手外科学会から認定を受けた4名の“手外科専門医”が、指、手関節や肩や肘を含めた上肢全体の機能再建を豊富な経験、臨床研究および解剖学的・運動学的研究に基づき総合的・専門的に行っています。
手指はその機能のみならず、その形態、整容面も重要になります。腱鞘炎、手のしびれ、外傷だけでなく、関節リウマチによる変形、女性特有の手の障害など手の総合的な治療を行います。手関節はその複雑な構造ゆえに、専門医師が一般的な医療施設にはほとんどいません。そのため、正確な診断がつかないまま何ヶ月間もお困りの方もおられます。靭帯損傷や関節障害など身体所見、画像検査、関節鏡を用いた正確な診断に基づく治療を提供しております。肘関節に関しては外傷のみならず、変性疾患、スポーツ障害と幅広く対応し、理学療法士とともに社会・スポーツ復帰を目指した保存治療を積極的に行い、必要な患者様にはリハビリテーションも含めた手術加療を行っております。
手指はその機能のみならず、その形態、整容面も重要になります。腱鞘炎、手のしびれ、外傷だけでなく、関節リウマチによる変形、女性特有の手の障害など手の総合的な治療を行います。手関節はその複雑な構造ゆえに、専門医師が一般的な医療施設にはほとんどいません。そのため、正確な診断がつかないまま何ヶ月間もお困りの方もおられます。靭帯損傷や関節障害など身体所見、画像検査、関節鏡を用いた正確な診断に基づく治療を提供しております。肘関節に関しては外傷のみならず、変性疾患、スポーツ障害と幅広く対応し、理学療法士とともに社会・スポーツ復帰を目指した保存治療を積極的に行い、必要な患者様にはリハビリテーションも含めた手術加療を行っております。
【主な対象疾患】
- 三角線維軟骨複合体(TFCC)損傷
- キーンベック病
- 舟状骨骨折・偽関節
- 手根不安定症
- 上肢の外傷(骨折、腱、靭帯損傷、脱臼)
- 外傷後の変形治癒
- リウマチや変形性関節症に対する人工指関節置換術
- 腱鞘炎
- 神経疾患(手根管症候群、肘部管症候群など)
- 関節疾患(変形性手関節症、変形性肘関節症など)
- 肘離断性骨軟骨炎
また急性期病院でありながら、多くの作業療法士(ハンドセラピスト)による集中的なハンドセラピーを受けることができ、救急時・急性期・入院・外来を問わず、治療完結まで安心してお任せいただけます。上肢におけるすべての機能障害に、最高の水準の治療を提供できる「最後の砦」です。あきらめる前にぜひ一度受診してみてください。
主な疾患
手根管症候群
- 整形外科
- 手の外科センター
脊髄から分岐したのちの上肢末梢神経が靭帯におよる絞扼、神経の周りのガングリオンなどの腫瘤によって圧迫されたり、外傷による関節変形による牽引などによって障害を受ける疾患です。
| 症状 | 母指から環指の親指側半分のしびれ、痛み、手の脱力感があり、特に夜間、朝方に強くなります。進行すると母指の筋力麻痺が出現し、母指球(掌の親指側)萎縮、つまみ動作のしにくさが出現します。 |
|---|---|
| 原因 | 手首にある手根管というトンネルを通る部分で正中神経が圧迫されるために生じます。多くは原因不明とされていますが、妊娠・出産期や更年期の女性に多く生じるのが特徴で女性ホルモンとの関連が指摘されています。手首の骨折による変形によって神経が牽引されたり、仕事やスポーツでの手の酷使や、糖尿病、透析をしている人などにも生じます。 |
| 治療方法 | 消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事の負荷の軽減、装具による局所の安静、腱鞘炎を治めるための手根管内腱鞘内注射などの保存的療法を行います。これらの治療が無効の場合や麻痺が進行しているときには、手術によって神経を圧迫している靱帯の切離や ガングリオンの切除を行います。 |
肘部管症候群
- 整形外科
- 手の外科センター
脊髄から分岐したのちの上肢末梢神経が靭帯におよる絞扼、神経の周りのガングリオンなどの圧迫、外傷による関節変形による牽引などによって障害を受ける疾患です。
| 症状 | 初期は小指と環指の小指側半分の痺れが生じます。麻痺が進行すると手の筋肉がやせてきたり、麻痺による小指と環指の変形(鷲手変形)が出現します。 |
|---|---|
| 原因 | 肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されたり牽引されることで発症します。 神経を固定している靱帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫、加齢に伴う肘の変形、子供のときの骨折による肘の変形、野球や柔道などのスポーツによるオーバーユースでも生じます。 |
| 治療方法 | 消炎鎮痛剤やビタミンB12などの飲み薬、運動や仕事の負荷の軽減、局所の安静、薬物の投与・肘の安静、神経ブロック注射などの保存療法を行います。これらの治療が無効の場合や麻痺が進行しているときには、尺骨神経を圧迫している靱帯の切離や ガングリオンの切除を行います。神経の緊張が強い場合には、骨をけずったり、神経を前方に移動する手術を行います。肘の変形が強い場合(外反変形など)、変形を矯正する手術を行うこともあります。 |
腱鞘炎
- 整形外科
- 手の外科センター
腱は筋肉から骨に力を伝達する役割がありますが、手の周囲には腱鞘というトンネルがたくさんあり、その中を滑るように動くことで関節を動かすことができます。手の腱のうち、指を曲げる方向に働くのが屈筋腱、伸ばす方向に働くのが伸筋腱と呼びます。指の屈筋腱におこるものをばね指、親指を立てる腱に生じるものをドケルバン腱鞘炎といいます。
| 症状 | 安静にして手を使わなければ腫れはひきますが、使い続けると腫れがひかず、痛みを伴います。炎症を繰り返すうちに腱鞘が腫れ、厚くなると腱がひっかかって曲げ伸ばしの際にカクンと引っかかる弾発現象(ばね指とも呼ばれます)が生じます。 |
|---|---|
| 原因 | 手を使い過ぎると、腱と腱鞘の間で摩擦が起こり、炎症がおこり指や手首の関節に痛みが生じる疾患が腱鞘炎です。女性に多く、特に出産直後、更年期の時期に多く発症するため女性ホルモンの減少との関連が指摘されています。 |
| 治療方法 | 安静、痛み止めによる炎症の改善を図ります。弾発現象が生じてしまっている場合はステロイドを腱鞘に注射し炎症を改善させます。再発予防のために屈筋、伸筋のストレッチを行うことが非常に重要です。弾発現象を繰り返す場合は何度もステロイドを注射していると腱が弱くなって切れてしまうことがあるため、手術による腱鞘切開を行います。 |
